調理法でこの色の違い!「赤カリフラワー」はこうして食べる~料理のサイエンスコラムvol.16
あなたの料理は、科学でもっとおいしくなる!
科学と料理のおいしい関係
「調理科学」は私の専門分野です。
(⇒調理科学とは? 詳細はコチラです)
身近な料理で役立つサイエンスをご紹介します。
少し前のことですが、
近所の八百屋さんで、
珍しい 赤いカリフラワー を見つけました。
(値段だけついていて、品種名は書かれていませんでした)
見た目にかわいいですよね
そうやって、手にとるお客さんが多かったのではないかと思います。
私は、この色のカリフラワーを見るのも、調理するのも初めてでした。
でも、見た瞬間に思ったのが、
「みんな、このカリフラワーの食べ方を知ってるかな?」
ということです。
サラダにするために、塩ゆでする
というのが一般的だと思いますが、
普通にゆでると、
食欲を失せるような青紫色になるのです。
たぶん、このピンクのままのゆで上がりを想像して、買いますよね。
が~~~ん となると思います。
泣けるくらい、色が変わります。
このピンク色を美しいまま料理にするには、
ピクルス(酢漬け)しかありません!
ポイントは、酢で色鮮やかに。
①まずは、酢を入れた熱湯でゆでます。
酢を入れたって、こんなに色が悪くなるのです。
かろうじて、少しピンクがかっていますが
②これを甘酢につけると、大変身!
さて、その色変化の秘密は、
このカリフラワーのピンク色が
「アントシアニン系色素」がもとになっているからです。
ブルーベリー、赤玉ねぎ、紫キャベツも同系統。
アントシアニン系色素は、
水に溶けやすく、
酸性で赤色になります。
(ちなみにアルカリ性では、青緑色に)
酢は、酸性。
それが、美しい赤色に導きます。
そして、普通にゆでると、色落ちした青紫色みたいなことになるのです。
来年、また同じ八百屋に出荷されていたら、
調理のワンポイントを買う方にお伝えしてあげてください
って、言ってみようと思います
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「科学で料理はもっと美味しくなる!」
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