カプセル(スフェリカス)の料理は、人工イクラがヒント!?
スフェリカス とは?
左から、ブドウ、トマト、カボチャ、エンドウのピュレを
カプセル状に固めたものです。
ピュレの外側が薄膜になって包み込み、
球状になっているのです。
不思議でしょ?
口に含むと、ぷにゅぷにゅ~。
噛むと、カプセルがはじけて、中からとろ~っとピュレが出てくる
体験したことのない食感です!
新しい野菜や果物の味わい方です。
先の投稿でご紹介した、
スペインのエル・ブリ(エル・ブジ)という
世界に名だたる三ツ星レストランのシェフ
フェラン・アドリアが、料理界に旋風を巻き起こした料理です。
このお店は惜しまれつつも、2011年に閉店しましたが
美味しい料理を食べ尽くした世界のセレブたちを、
調理科学の手法を駆使した料理で、
見たこともない、食べたこともない、
五感をくすぐる 新しい感覚の料理 で、
驚かせ、喜ばせ続けてきました。
こういった料理を
モラキュラー・キュイジーヌ といいます。
その代表的料理が、このスフェリカス。
こんな風に作ります。
ポイントは、この二つの白い粉。
アルギン酸ナトリウム
乳酸カルシウム(または塩化カルシウム)
それぞれ、ピュレ、水に溶かして、
固まる性質を与えるのです。
人工イクラの手法を利用しています。
(↑人工イクラっていうものが存在するのです。
あなたも、知らずに、外食で口にしているかも!?)
粒の大きさは自由自在!
私は、この三ツ星レストランの料理を、
キッズ・サイエンス・クッキングで、
何と、小学生にも教えています。
みんな、目を輝かせて、楽しんでくれます♪
↑2015.8.14 中日新聞 朝刊より抜粋
東海市教育委員会主催
キッズ・サイエンス・クッキング にて
調理師学校で、プロの料理人の卵たちに教えると、こんな感じ。
辻調グループ校 2年次の学校の
日本料理専攻の生徒たちに、この手法を使って料理を考えさせて、
実習しました~。
生徒作
「茶ぶりなまこ いよかんの粒を添えて」
2月の季節の料理です。
調理科学は、
伝統的な料理の作り方やコツを、
現代の科学をもって、
あの作り方にはこんな意味があるんだという裏付けをすることができるほか、、
こんな風に、
新感覚の食感を、
料理のエンターテイメント的な要素として、メニューに取り入れるための知識としても、
大いに活用されています。
目の前に料理が提供されたときの、
これから何が始まるの?という
心躍る ワクワク感♬
これって、大事ですよね~
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「科学で料理はもっと美味しくなる!」
HP www.manyoria.com
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● 『科学でわかるお菓子の「なぜ?」』(柴田書店)
執筆本のご紹介
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(パンづくりのQ&Aを執筆)
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