料理のサイエンス・コラム vol3
理にかなった作り方をすれば、
料理は必ずおいしくなります。
サイエンス・コラムは、
私が専門とする「調理科学」で、
料理のちょっとした疑問を、『なるほど』に変えていきます。
【ゆで卵の殻がきれいにむけない!?その原因は?part2】
Part1では、新鮮な卵で作るゆで卵は、
殻がきれいにむけない話をしました。
生鮮食品は「鮮度のよいものこそ、美味しい!」
というイメージがあるので、
わざわざ 産卵後1週間の卵を使う ことに
ちょっぴり抵抗を感じるという方もいらっしゃるかもしれません。
実は『産み立ての卵をゆで卵にしても、おいしくない』
といわれています。
「白身がばさばさして舌ざわりも歯ごたえも悪い」そうです。
スーパーで買い求める場合には、産んですぐの卵を手にすることはないですが、
この話を聞けば、ゆで卵のときには、鮮度にこだわらなくてもいいのかな
という気持ちに落ち着くでしょうか。
さて、その理由です。
産み立ての卵は、鶏の血液中の炭酸ガスが卵白に溶け込んでいます。
この炭酸ガスがある状態で、白身をゆで固めると、
食感が悪くなるのです。
炭酸ガスは、保存しているうちに殻の小さな穴(気孔)から抜けていくので、
産卵後しばらく立ってからの卵を使うのは、
殻のむきやすさだけでなく、味の面からいっても、
理にかなっているのです。
ちなみに、part1で、産まれ立ての卵の白身のpHは低いとお話ししましたが、
この炭酸ガスが原因です。
(水に炭酸ガスが溶けると酸性側に傾きます。)
pHを低く保つことで、微生物の侵入を妨げることができるという生命の仕組みが、そこにはあります。
(*´∀`*)ノ 料理は科学だ~!
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
食育(子供料理教室・講演)・調理科学・フードコーディネート
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