料理のサイエンス・コラム vol.2
私の専門のひとつ 「調理科学」
料理は、理論を知ることで、おいしく作れるようになります!
その理論を、科学的な目で検証するのが、私のお仕事なのです。
今日は、身近なゆで卵について。
【ゆで卵の殻がきれいにむけない!?その原因は?】
この写真の状況、ご経験ありますか?
ゆで卵の殻をむこうとすると……
殻の内側の薄膜とくっついて、
む、むけない!(汗)
そして
で卵の表面がボロボロに(;ω;)
ゆで卵の表面がつるりんとしていなければならない
おでんやサラダのときには、ガーンですよね。
原因その1
「卵が新鮮すぎた!きれいにむこうと思えば、ちょっと鮮度が落ちたものが良し」
鮮度のよい卵こそいい
というのが常識だと思いますが、
少し古い卵のほうが、確実にきれいにむけます。
それには 「産卵後1週間の卵」がいい といわれています。
それはなぜか?
まず、産み立ての卵白のpHは低い。
日数が経つにつれて、pHが高くなります。
卵白のpHが低いと、加熱によって、卵の殻の下にある薄膜と卵白が癒着してしまう。
それが、殻がむきにくい原因となります。
ちなみに、生命の力ってすごい。
何で産み立ての卵の卵白のpHが低いのか。
産み立ての卵は、鶏の血液中の炭酸ガスが卵白に溶け込み、pHが低くなっています。
pHを低く保つと、微生物の侵入を妨げることができるのです。
保存しているうちに殻の小さな穴(気孔)から抜けていき、pHが高くなります。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
食育(子供料理教室・講演)・調理科学・フードコーディネート
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