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2012年5月

新刊『パンづくりに困ったら読む本』を執筆しました

『パンづくりに困ったら読む本』(池田書店)

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  辻調グループ 製パン教授

  梶原慶春、浅田和宏 共著

2週間前に発売の本書、好調に売れているようです。

初版の部数が、売れ行きを見込んで通常の2倍刷ったと聞いて、

執筆の大部分を担った私としては、

売れるかどうかドキドキ(汗)・・・・・・

と、責任を感じてしまうところだったのですが、

なんと2週間足らずで、再版がかかり、うれしく感じています。

          

こちらの本は、2章に分かれていて、

前半は、辻調の梶原先生、浅田先生が、

・バターロール

・山食パン

・フランスパン

・ブリオッシュ

・クロワッサン

の5つの基本パンと、そのアレンジパンの作り方を紹介しています。

この5つを選ぶときに、

編集者の方が、

「おうちでフランスパンやクロワッサンが焼けるなんて憧れ

とおっしゃっていて、

そういうちょっと家庭では無理なんて思っていたパンも、

本の通りに作れば、バッチリできるというのがこの本のウリです。

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                   (池田書店HPより)

とにかくカラー写真がずらりと並んで、

「こね方」「生地の状態」を写真が懇切丁寧に語ってくれています。

書店で手にとってくださったら、見てほしいポイントが、

「パンの生地って、最初はベタベタでやわらかくてもいいんだ!」

という点。

パンをこねるというと、やわらかい粘土のように手にくっつかないような生地を、たたきつけたりしてこねるという図を、思い浮かべる方が多くいらっしゃると思いますが、

そういうパンは、きっと出来上がってもかたかったり、

焼き立てはやわらかくても、すぐにかたくなったりするのではないでしょうか。

私は、本の撮影に立ち会って、この生地のやわらかさにまず驚きました。

最初は、べたべたで、生地を台にこすりつけては、かき集めるということを繰り返します。

すると、生地に弾力やコシが出てきて、

そのうちに、台からつるんとはがれるようになり、手にもくっつかなくなる。

その状態になってはじめて、生地を持ち上げて、生地の重みを利用して、台に叩きつけるというプロセスなのです。

今まで、手ごねでパンを頑張って作っても、その味に納得できなかった方には、

一度、読んでみて欲しい内容です。

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                   (池田書店HPより)

          

さて、私が執筆した後半部分(p121~203)は、

パン作りのQ&A

です。

パン作りをしていて、

「パンはどうして膨らむの?そのメカニズムは?」

「なぜこの作業が必要なのか?」

「この材料はなぜ必要なの?どんな働きをしているの?」

「どうしてこんな状態になるのか?」

「この失敗は何が原因?」

「どう改善すれば、もっとおいしいパンが焼ける?」

など、

「なぜ?」の連続ではありませんか?

きっとパン作りをしていて陥るであろう疑問を集めて、

調理科学からのアプローチで、懇切丁寧に解説しました。

執筆したQ&Aの数は、なんと200問!

技術的なことは、辻調の先生にお尋ねして文章にまとめました。

たとえば、

Q87 バターなどの油脂を後から加えるのはなぜですか?

というQであれば、

先生にお尋ねしたときの答えは、

「生地をある程度こねてまとまってから油脂を混ぜ込むほうが、ミキシングに時間がかからずに、効率よくパンができるから」

ということですが、

この一言に、「それはなぜなのか?」

と踏み込んで、内容を掘り下げ、

科学的な視点から理由を説明していくのが私の仕事。

「調理科学」というと、難しい、とっつきにくい印象があると思うのですが、

それをわかりやすく伝えたいという想いをもって、まとめました。

          

このように、「パンの作り方+コツの科学」がセットになった本は、

初めてだと思います。

今回は、著者としての契約ではなかったので、

私は、製パン科学監修 という位置づけになっていますが、

私の中では、著者並みに力を入れて頑張った!といえる本ですので、

もし、書店で見かけたら、ちらりと中身を見ていただけたら、励みになります。

          

製作期間1年。

とにかく、この1年は、この本に縛られていました(笑)

365日のほとんど、パソコンや原稿に向かっていました。

「料理が好き、お菓子が好き、パンが好き!」

とにかく「好き」が原動力になって、頑張れたのだと思います!

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