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HAJIME RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON (ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン)~大阪フレンチ

2009年に大阪京都で初めて発売された

「ミシュランガイド 京都・大阪 2010」。

選ばれるお店は、フランスの三ツ星に輝くお店とは、店構えのゴージャスさやサービス、敷居の高さの基準が違うとはいえ、
やはり、発表されれば気になるもの。

三ツ星には、京都の日本料理の老舗が名を連ねる中、

大阪ではただ1店舗、新進気鋭のフレンチレストラン

HAJIME RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON
(ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン)

が選ばれました。

2009年10月の発表日の数日前から、

HAJIME RESTAURANTの三ツ星は確定との噂が流れていたので、

ただでさえ予約が取り難いお店だから、

と、その噂を聞いて、早速予約。

仕事の打ち上げという名目で、

グランメゾンでお昼っから、幸せ気分に浸ってきました。

                         (2009.11月のメニュー)

      

予約の電話のときには、

「ドレスコードでお願いします」といわれ、
スマートエレガントな服装を求められます。

数日前にはリコンファーム(予約確認)の電話があり、
当日のキャンセルはできません。

そして、コースはランチ、ディナーとも、おまかせ1コースのみ。

  ランチ   7875  yen
  ディナー 15750 yen

と聞くと、フランスの三ツ星レストランをすごく意識しているように思えたのですが、


お店に行くと、オーナーシェフの米田さんの、

料理哲学・美学、ただならぬこだわりを感じ、

完成度の高いものを作り上げて、料理を媒体として表現していきたいという想いが、伝わってきて、納得できました。

     

席につくと、本日のメニューが配られます。

表には、シェフからのメッセージ。

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裏は、本日のコース構成、メニューの解説です。

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期待はふくらみます

   

      

debut

Hajime_2

グラスの底には、トリュフのアイスクリーム。

そこに、かぼちゃの冷製スープが注がれ、ノワゼットの香りの泡がのっています。

トリュフのアイスをスプーンですくいながら、3種が渾然一体となったおいしさを味わいます。

香りを食べさせるような一品。

香り、食感の重きの置き方については、

スペインの三ツ星レストランのエル・ブリから世界に広まった、

21世紀のフレンチへの新しい風を感じます。

     

天然酵母のプチバゲットは、

Le Sucre-Coeure (ル・シュクレ・クール)製。

吹田にあるパン屋さんで、

訪れてみたいお店のひとつです。

米田シェフの料理の理念に合うパンを、ふたりで相談して、作り上げていく過程を、
テレビ番組の特集で拝見して、いいなあと思いました。

粉のうまみといい、焼き具合といい、皮と内部のバランスといい、
フランスらしい本物志向のパンです。

パリのメゾン・カイザー(現在はエリック・カイザー)で修行されていて、

私はこのお店のパンも大好き。

もちろん、ハジメレストランでは、パンは脇役ですが、はっきりいっておいしいです。

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そして、バターがイイですね~。

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黒い皿にのっているのが(ちなみに、今、こういうお皿が流行ってマス)

左の黄色みが強いものが、北海道のバター。

その隣の、少し白っぽいものが、フランスの最高峰のバター 
ブール・ド・エシレ(エシレバター)です。

この両者を食べ比べというわけですね!

エシレについては、その背景も価格も知っているので、どうしても贔屓目に見てしまい、おいしく感じるのですが、

あえて、この2つを食べさせるのですから、北海道のバターもおいしいんです。

そして、エシレの隣の塩は、

フルール・ド・セル・ド・ゲランド(ゲランドの塩)

結晶のシャリ、カリッとした食感と、塩分をまるくするうまみの成分がおいしい、
こちらも世界でも名高い塩です。

ギリシャのオリーブオイルとともに。

パンやバターの詳細を書き始めると、料理になかなか進めないので、またいつか。

     

oeuf

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oeufとは、フランス語で卵の意味です。

石本農場の卵を半熟卵にし、

フランス産の桃のコンフィをピュレにしてかけ、

さらにその上に、エピス風味のクリーム(スパイスの香り)、

刻んだアーモンドのローストがのせてあります。

桃のピュレや、エピスのクリームは、ほんのり甘く、

特にクリームがおいしかった。

ほのかな甘味がとろ~っとした卵と合うんだなあ、と発見。

フランス料理では、伝統的なオードブルとして、

卵料理の一品があります。

今回の料理のように、卵の殻を器にして供する卵料理のオーソドックスなものとしては、

卵に生クリームを入れて作った、クリーミーなスクランブルエッグに、

キャビアをのせたもの。

シンプルだけれども、おいしい料理です。

今回のoeufは、そうした伝統的な料理のことを考えると、

かなりの進化形!

桃の香り、エピスの香りで、複雑な味わいとなっていますが、

卵のおいしさを生かす、引き出すという点では変わりありません。

それでも、食べ手のほうは、

ストレートなうまさを受け止めるというよりも、

ちょっと高度さを求められているような気がして、

複雑な組み合わせの妙と、何の味わいが卵をより卵らしくしているのかを考えながら、

舌だけでなく、脳みそでも食べてしまいました。

     

saint-jacques

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saint-jacquesとは、ホタテ貝のこと。

ホタテはソテーしてあるのですが、限りなく生

こんなに生に近いのに、でも生ではない。

やわらかさ、甘味、ねっとりとした生の感じ、その火通しのなせる味と食感がとてもいい感じ。

上にかかっている粒状のものは、

クスクスのサラダ。

フランスでは、お惣菜屋さんに、クスクスのサラダは、タブレ(Taboulet)という名前で売られています。 
    →タブレについて、クスクスについては、コチラ

クスクスのサラダは、

クスクスはパスタの一種ですが独特のぷちっと感がよくって、

そこにシャキシャキしたセロリ、リンゴの角切りがアクセントになっていました。

ほたてのやわらかさと対極ですよね。

そして、全体を覆う黄色い泡は、サフランの泡です。

このような泡で香りを食べさせる手法は、

エル・ブリから流行し始めたもので、

サフランの色と香りを移した液体はそのままでは泡立たないけれども、レシチンを入れることによって泡立てることができるようになるという、

ここ10年ほどの間に瞬く間に広がった最新の調理法です。  

      →レシチンの泡について詳しくは、コチラ

サフランは、甘味のある食材や魚介との相性が抜群です。ブイヤベースに使われますよね!

ホタテの甘味をよく引き立ててくれています。

      

mineral

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目にも鮮やかなサラダに、心が華やぎます。

これは、60数種類の素材が使われている、
ハジメレストランの定番の一皿です。

キュウリ、ブロッコリー、カリフラワー、四角豆、トンブリ、エディブルフラワー・・・etc. 書くときりがありません。

ビーツなどのピュレが色鮮やか。

最新の調理法としては、

オリーブを粉末にしていたり、

レンズ豆を発芽させたものを使用したり。

レンズ豆の発芽なんて、ようは、もやしと一緒の原理なんですが、最新のフランス料理で流行ってるんですよ~。
まあ、日本人はあまり驚かないかも?

このサラダの一番感激するところは、このような食材そのものというより、ソースなんです。

特に、貝のエキスを泡にして、そのうまみだけを食べさせる。

そして、その下に敷かれているソースが、とにかくソースがうまい!

しっかりと仕事しているフランス料理はここが違うんだよね、ソースという土台がしっかりしている!!!と感激しながら、いただきました。

大地の力を吸収した野菜と、海からのミネラル(貝より)の出会いの一皿と表現されていて、シェフの想いのこもった一皿でした。

     

foie gras au naturel

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フォアグラ好きの私の、ハートをわしづかみにされた一品です。

フォアグラ本来の味が、ストレートに表現されていることに、驚きでした。

フランス料理で、フォアグラを堪能するような料理といえば、

表面をカリッ、中をとろっと仕上げたソテーだったり、

洋酒をきかせたテリーヌにしたり、などが一般的です。

これらももちろんおいしいのですが、

今回の一皿は、フォアグラの別のうまさを再発見したような感じでした。

火を入れると、食感だけでなく、風味も変わります。

そこで、ゆっくりと、0.1℃単位で温度を管理しながら、実に丁寧に火入れをされているそうです。

先に食べた、ホタテと同様、

限りなく生みたいな食感なんですが、火がぎりぎり通っているんです。

火入れしないと出ない風味が、きちんと出つつも、生のよさが残っている、そのバランスが絶妙すぎて、感動でした。

食べた感じは、「アンコウの肝」っぽいです。

何となく、伝わりますか?

フォアグラに添えられた野菜は、大根です。

フォアグラやアン肝って、大根が合うってことは、日本人はよく知ってますよね。

そして、皿の右に並ぶスパイス、これも芸が細かいんです。

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一番右に、縦一列で点々と並ぶのが、黒こしょう。

上から2つが、黒こしょうを1/4に割ったもの(これがまた、精密に切られているところに、こだわりが)。

その下2つが1/8、そのまた下2つが1/16に割ったもので、最も下は細かく挽いたものです。

初めは、何もつけずに、フォアグラのみを口に含み、

よく味わった後に、

細かく挽いたこしょうをつけ、食べ進める中で、徐々に大きく割られたこしょうをつけていくと、だんだんアクセントが強まっていきます。

フォアグラって、たくさんあると、ねっとりしてきて、ややもすると単調な味になりますよね。

なので、どんどんスパイスの刺激を強めていったほうが、おいしいと思います。

そして、こしょうの刺激と香りが変わると、フォアグラの味わいの感じ方にも影響が出て、またおもしろいんですよね。

ほかには、スペインのとうがらしの粉末、バルサミコ酢を煮詰めた甘めのソースが添えられています。

フォアグラには、甘味のあるソースがあいますよね。

フォアグラの上にはフルール・ド・セルがかかっていて、

カリッとしたアクセントになっています。

フルール・ド・セルは定番ですが、

ここに、キヌア、ディルを合わせているのが、おもしろいです。

フォアグラの下に敷かれているのがキヌアで、
ちなNASAが21世紀の理想の宇宙食といったことで、20世紀終盤に健康食品として流行りだした、ぷちぷちした穀物です。

キヌアは食感で、ディルは香りで、味わいに変化をつけているというわけですね。

     

agneau

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フォアグラを堪能した後に出てきたものは、agneau(仔羊)です!

仔羊も大好きですが、これまた経験したことがない、衝撃の火入れでした

この日は、とにかく、火入れに感動しきり。

正確に温度を計算した緻密な焼き方をしないと、なかなかこの火入れにもっていけないと思いますヨ。

もし、火入れが少しでも足りなければ、そして、食材の質が悪ければ、仔羊なんかは特に噛み切りにくくなりますし、多少クセのあるにおいも気になるかもしれません。

牛肉とは扱いがまた違うんです。

仔羊は、炭火で脂身がカリッと焼かれています。
ここも仔羊の調理で重要なところですよね。

仔羊の脂身は、きれいに掃除して適量残して、
そしてその脂身がうまく焼かれると、脂に甘味すら感じるんです

しかも、炭火だから香ばしい。最高です。

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そして、サービスの方が、お皿を私の目の前に静かに置いた瞬間に、

仔羊の断面の赤い部分がプニュっと揺れるくらい
(この現象に、えっ!!(ありえない)と、目が釘づけになり、興奮しました

ほとんど生に近いやわらかさ~。

生の仔羊にある甘味も、ぐっと前面に出ていています。

ふつうは、仔羊は、ロゼになるように火入れするため、

断面はピンク色でうっすら赤く仕上げるものですが、

もっと焼き方が浅いんです。だから、断面が赤い!

きっと、写真でもわかると思います。

肉の甘味に合わせられているのは、

干しブドウのチャツネ、手前はクミンの粉末&ヨーグルト、

なすのチップスとピュレ、チンゲン菜、フルール・ド・セルです。

      

olive

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興奮したメインは終わり、いよいよ最後のデザートです。

オリーブのソルベ(アイスクリーム)+オリーブの粉末(おそらく凍結乾燥)、オリーブのソースという、

オリーブの三段活用といったところでしょうか。

オリーブのソルベは作るのにテクニックがいるんですよ。
これも最新の調理法。

以前、Fujiya1935でもいただいて、こんなことができるんだってびっくりしたものです。
             →コチラ

     

       

poire

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poire=洋ナシという名前がついたお菓子ですが、

ぱっと見ではわかりません。

黒糖のパリンとした生地でできている容器は、まるでチュイルみたい。

その中に、洋ナシが少し温められて、

キルシュのアイスクリームとともに隠されています。

このアイス、かなりおいしいです。

クランブルも入っています。

黒糖の生地は、水たまりにはる薄い氷みたいな感じで、パリン、パリンとくずしながら、中の冷たいアイスと、ほの温かい洋ナシと味わっていきます。

クランブルのカリッとしているんだけど、ほろっと崩れるような食感も、
変化に富んでgoodです。

      

締めくくりのプチフール

3点も出てきてくれました。

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グラスの底にあるのは、たくさんのクローブ(丁子)。そこに、飴が刺さっています。ちょっとクローブがきついかな~。

          

ホワイトチョコレート、スイートチョコレート、生チョコの飴からめ

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グレープフルーツ風味

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すべての皿において、

素材がいいのはもちろんですが、

その仕事がクリエイティブで、計算されつくした味わいを、

「さあ、味わってください」と、目の前に出されたっていう印象です。

完璧な皿を目指して、作られている。

素直にそのおいしさに感動する一方で、

複雑な味わいの中に隠された意図を見出せるかと、どこか試されているような、(シェフにそのつもりはないと思います)

シェフの一皿に対する想いをビシビシ感じる料理なんです。

ストレートと思えるおいしさも、

そう感じられるように、裏では緻密な計算がなされているというのが、わかる。

どうせ食べるなら、その想いを皿の中から拾いたい、わかりたいと思うから、

気を抜かずに、食べても挑んでしまいます。

おいしいと思うのは本能だけど、

そこに、知性もからみついたような料理で、

わたしは特に後者における満足度が高くて、なるほど~という発見で満たされた部分もありました。

         

最後には、シェフ、サービスの方が、出口のところで皆さんでお見送りしてくださいました。

そして、手土産に、マカロン。

(きっと、oeufに石本農場の卵黄を使ったので、その卵白で作られているに違いないと思い込んでいますが、はたしてどうでしょう・笑)

 Img_0353   

フランスで伝統的に星をとっているお店のような

グランメゾンというゴージャスさはなく、

シンプルモダンな華やかさを抑えた感じで、

現代風のグランメゾンといえるのかしら、なんて思って、お店を後にしました。

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HAJIME RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON
(ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン)

550-0002 

営業時間 昼 12 : 00 15 : 00 ( L.O. 13:00 ) 

     夜 18 : 00 23 : 30 ( L.O. 20:00 ) 

定休日  月曜・火曜日

TEL :  06-6447-6688

予約受付時間 9 : 30 11 : 30 及び 16 : 00 17 : 30

大阪市西区江戸堀1丁目9-11-1F

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グルメ・クッキング」カテゴリの記事

コメント

すごい。。

すごすぎて、味が想像出来ませんでした。。

でも。
ここまで理解しながら食べてもらえたら、料理人も本望ですよね。

きっと大半の方がそこまで緻密に考えて作られてることを知らずに食べてしまっていますよね。。

まきすけさんの知識にも改めて脱帽です。。。

投稿: kumi | 2010年5月10日 (月) 18時48分

kumiちゃんがこちらに遊びに来られた際には、
ぜひお連れしたいレストランで~す。

お楽しみに(*゚▽゚)ノ

投稿: まきすけ | 2010年5月11日 (火) 05時52分

(ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン)
素晴らしいレストランそしてオシャレな御料理
凄いですね

ご紹介 有り難うございます。

Sponsored Linkにポチッと応援させて頂きました

投稿: ryuji_s1 | 2010年5月25日 (火) 20時30分

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