西洋厨房 いとう ~京都のフレンチ
シェフひとりでやっている、こだわりのカウンターフレンチ
あえて、店名を流行りのフランス語にせず、
カジュアルなビストロとも、レストランとも冠せず、
西洋厨房とだけいって、自分のおいしいと思ったものを、素材のうまさを生かすスタイルで出す。
そんなこだわりすら感じさせるお店です。
場所は、京都市東山 知恩院のすぐそばの路地で、
私が訪れた昼間は、目立つ場所ではありません。
野菜に力を入れていて、野菜のおいしさにはっとさせられると聞いて、
それを楽しみに行きました。
おまかせランチ
●野菜メインの前菜
茎の黒い「コウタイ菜」
菜の花かと思ったら、茎が黒くて食感が違う。
中国野菜で、菜の花と同じアブラナ科の野菜のようです。
茎の赤い「ふだん草」
ふだん草って普通は茎が緑色。
南仏に旅行に行ったときに、ふだん草がお菓子にいっぱい使われていてカルチャーショック!?でした。
日本でも栽培されているのは知っていましたが、スーパーには並ばないので、久しぶりにいただきました。
一緒に行ったお友達には、黄色の茎のふだん草が。
島らっきょう
安納芋
黄色にんじん などなど 珍しい野菜がいっぱい~
シェフが生産者のもとに出向いて、素材の味が力強い野菜を買っているそうです。
野菜に注目し過ぎて、魚の存在が薄くなってしまいましたが、
魚は、三重県の尾鷲や丹後からの直送を中心に扱っているそうです。
●白身魚のロースト 菜の花を添えて
菜の花の盛り付け方が豪快でシンプル。
魚は、日本料理みたいに、深く切り込みを入れて、皮自体に含まれている脂を利用してカリッと焼き上げています。
このお店のスタイルは、
生クリームやバターを使わないということ。
それなので、とてもとても軽い。
●鹿肉のシヴェ
シヴェとは血を使ってとろみをつけたソース。
この料理があるって聞いて、迷わずおまかせコースにしました。
4月だったので、出始めのたけのこのローストがガルニチュールとして添えられています。
普通は、ソースの最後にバターでモンテしてコクをつけるんですが、それもされていないので、とにかくあっさり。
バターモンテは深みを与えるだけでなく、油脂で鹿のクセもマスクされるような気がするんですが、
そのクセさえ、さほど感じられないところが、軽く仕上がってるなと思いました。
一緒に行ったYakkoちゃんは、イベリコ豚の舌(タン)の煮込みをチョイス。
皮つきで調理されていて、皮がかたければ除いて食べるということでしたが、食べられちゃうほどやわらかい。
●ブラマンジェ シャンパン風味のいちごソースで
ギリギリ固まっているという感じの、限りないとろとろさ。
ここでも生クリームが使われていないので、どちらかというとミルクゼリーっていう趣も。
甘さの中に不思議に塩味がしたんだけど、塩味でなくてもよかったかなあ。
これで、コースは終了。
最後はハーブティーをいただきながら、シェフの伊藤氏とお話しさせていただきました。
「おなかに全くもたれないでしょ?」
といわれるくらい、結構量は食べているはずなのに、まだ、胃にすきまがあいていました。
落ち着いた年代の人に人気があるのもわかるな~。
今日いただいたコースは、ディナーで食べると6000円や8000円で出てくるような食材ということで、ランチのお得感を感じました。
野菜は最初は大原中心に仕入れていたけれど、今は県内のおいしい農家から入荷しているそう。
京都の地野菜を堪能でき、勉強にもなりました。
ふつうこだわりのシェフって寡黙だけど、落ち着いた雰囲気でとてもお話がうまいので、
絶対、前職は調理師学校の先生じゃないかと思ってお尋ねしたら、
やっぱりね、京調の先生でした。(私って、すごい勘!)
そして、カウンター席からちらりと見える奥の厨房が、とにかくピッカピカ。磨きこまれている風で、
そういう丁寧さが、料理の丁寧さにつながっているんだなと思いました。
お話ししていると、随所にこだわりを感じさせられて、
次また訪れるときも、ランチにして、後でゆっくりお話しできたら、楽しいなと思ってしまいました。
これからの季節は北海道産のアスパラが食べられるそうですよ。
シェフは毎年札幌で食べ歩いているそうで、そんな話もはずみました。
「西洋厨房 いとう」
京都市東山区古門町通石橋町307
電話 JP +81 755330500 通話
お店のHP http://www.h7.dion.ne.jp/~verite/index.html
紹介HP http://o.e-kyoto.net/shop/itou.html
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