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フランスの三ツ星レストランPIC・シェフの講習会

辻調の卒業生の会で、
フランスの三ツ星レストラン PIC(ピック)のオーナーシェフである
アンヌ=ソフィ・ピック氏の講習会が開かれ、

またとない機会に、わくわくしながら参加してきました。

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レストラン「ピック」といえば、1889年から続く老舗中の老舗。

アンヌ=ソフィの祖父にあたるアンドレ・ピック氏は、
20世紀前半に、フランスの三大シェフと讃えられて、

アンヌ=ソフィの父のジャック氏と2代に渡って、レストラン「ピック」の黄金時代を築きました。

辻調の先代の学長である故・辻静雄氏と、ジャック氏は親交が深く、
25年前、まだ辻静雄氏がご健在のときに、ジャック氏が来日して、辻調で講習会を開かれたそうです。

ジャック氏亡き後、レストラン「ピック」は息子のアラン氏が継ぎましたが、二つ星に降格。

妹のアンヌ=ソフィ氏はマネージメントをアメリカ、パリ、東京で学んだ後は、
夫ダビット氏とともに、ホテルを増築したり、マネージメント的な分野を担っていたと私は思いこんでいたのですが、

確かな舌の感覚を持つ彼女は、独学で身につけたその料理の腕で、調理場を指揮し、

2007年に12年ぶりに、レストランを三ツ星に返り咲きさせたそうです!

すばらしい!!

ミシュランで三ツ星レストランの地位を獲得するには、並大抵のことではありません。

料理の味だけでなく、店構え、サービスなど、レストランに一歩足を踏み入れたときからそれに関わるすべてにおけることが、その採点の基準になります。

しかも、女性である彼女が、パートナーとともに、

ピックの伝統を守りながらも、革新的に店を変えていったということが、すばらしいと思いました。

と、、、前置きは長くなりましたが、
それくらいすごい講習会に、卒業生だとあっさり参加できてしまい、それが本当にラッキー!

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この日は、今、旬の調理法を駆使した、
新しいフランス料理といわれる技法の3品を紹介してくれました。

●熟成ゴーダーチーズ「ライプナーVSOP」と黒トリュフ
 (とろとろトリュフ入りの温かいスフレ)

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スフレ・ショーは、温かい熱々のスフレを、オーブンから出してすぐに、お客様のもとにお運びして、しぼまないうちに食べていただくお料理です。

前のお料理が食べ終わるタイミングを見計らって、スフレをオーブンに入れます。

が、この写真は講習後に撮ったので、ぺったんこ。

できあがり直後は、すごくきれいにふんわりふくらんでいて、それを写真に残せなかったのが残念。

メニューを見ると、どうしてゴーダーチーズ?と最初は思いました。

パルメザンやグリュイエールチーズなら、理解できるんですが、

なぜオランダの庶民的なこのチーズを??と。

でも、試食してみてびっくり。

2年熟成のこのゴーダーチーズは、熟成パルメザンチーズのような、アミノ酸の旨みがじんわりと出てくる、香り豊かなチーズだったのです。

アンヌ=ソフィ氏は、さまざまなチーズで試した結果、これにいきついたそうです。

このチーズが入ったスフレの中央には、

トリュフのジュ入りのゴーダーチーズのエスプーマが忍ばせてあります。

エスプーマというのは、最近流行の新調理法です。
スペインのエル・ブリというレストランから、そのブームが始まりました。

空気のように軽い泡を作り出す器械で、
今までは泡にできなかったようなものを、ぷしゅーっと泡にしてしまうのです。

そのエスプーマの上には薄切りのトリュフ。

真冬の真っ黒のトリュフよりは少しまだ茶色っぽさが残るとはいえ、贅沢ですね~。

マニアックな話になりますが、
フランスではエスプーマは窒素ガスでぶわ~っと膨らませます。

しかし、日本では窒素ガスがカンタンには手に入らないので、炭酸ガスを使います。

すると、炭酸ガスはたくさんは入れられない。入れすぎると酸味が生じるからです。

なので、ピックの厨房で作るようなふんわりとした泡にはならなく、今日は不本意だけど・・・とおっしゃっていました。

なるほど~

地中海のルージェ
 ガラム・マサラ風味のバナナのロースト
 あらでとったジュ

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調理法も、盛り付けも、今風で、斬新。

スパイスとの組み合わせも、新しいですね。

ルージェとは、いとよりのことで、日本のものは身が薄いのですが、フランスのものはもっと食べ応えがあるしっかりとしたものです。

ルージェの下には、バターとグラニュー糖でソテーしたバナナがひかれています。

バナナには、ガラムマサラ(カレーに使うスパイス)、そしてマルドンの塩がふりかけられていて、ガルニチュールなんだけど、どんな味が食べてみたいと思わせられます。

ルージェはオリーブオイルでさっと焼いただけで、素材を生かしますが、

このあらでとるソースに手間ひまかけていて、スパイスの赤ワインと融合した旨みが凝縮されています。

なめてみたい。 ペロってやらせて!

●ひらめのプティ・バトー
 やわらかいルバーブ、ムール、エストラゴンと海の香りの泡

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これまた、今ときめく調理法が満載。

調理科学の要素が駆使されています。

私の専門分野なだけに、その例がいろいろ見れてうれしい限り!

ルバーブは砂糖と少量の塩をまぶして1日おいて、ボーメ50度のシロップを注ぎ、真空パックに入れて真空にして、85度で加熱しています。

こうすると、煮崩れないけど、やわらかい、芯までしっかりと味がしみこんだ、普通の調理法ではできないルバーブの煮ができるのです!

フランス産のひらめは魚の中心温度を最終48度に持っていくような、低温調理によって、そのやわらかさを引き出しています。

このバッチリの火通しが、高級素材をさらにおいしく仕立てあげます。

盛り付けは、ルバーブの上に、ひらめをのせて、上にエストラゴンの緑色のジュレ(ゼリー)を一筋にきれいに飾ります。

オレンジ色のソースは、ルバーブの煮汁を煮詰めたもの。

ルバーブのさわやかな酸味がポイント。

そして、ムール貝の煮汁を煮詰めて、泡立ててソースにしています。

どの料理も、先代の時代にはまだなかった、新しい調理法がどんどん取り入れられていて、前衛的な料理でした。

ブラボー!

しかも、女性が、っていうのが、私としてはうれしいです。

料理というのは、本で見るだけでは、想像の域を脱しないので、今回はとってもいい勉強になりました☆ 

 

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