Villa AiDA(アイーダ) ~和歌山のイタリアン
Villa AiDA(ヴィラ・アイーダ)
以前は、Ristorante AiDA(リストランテ アイーダ)というレストランだったのですが、今年、レストランに宿泊施設もついて、Villa AiDAとなりました。
一度、行ってみたいと思いながら、和歌山までは遠くて
のびのびになっていましたが、
念願かなって、行くことができました。
ここは、野菜の独創的な料理が有名なお店です。
レストランの裏の畑で、シェフとシェフのご両親が作る野菜やハーブたち。
そして、地元の農家の○○さんの野菜。
とにかく野菜の味が力強く、それをおもしろく料理してくれるというので、期待して行きました。
とってもかわいい外観!
入り口にいらっしゃるのはシェフ&マダム。
シェフは私よりもたった2歳年上の方。
イタリアのレストランで4年勤務後、こちらでもう7年間もお店をされています。
すごいな~。
今日はお盆ということで、メニューは、1種類。
<BuonBonの野菜ランチコース> \3150
●バーニャ・カウダ(Bagna caoda)
バーニャ・カウダは、イタリアのピエモンテ州の方言で、
バーニャ=ソース、カウダ=温かいの意味。
専用の陶器の土鍋でアンチョビーとにんにくを使ったオリーブオイルベースのソースを下から温めた状態で出して、
これにスティック状に切った野菜をつけて食べる料理です。
アイーダで作っている、水なすはみずみずしい!
そして、白いきゅうりや、薄黄緑色のとうがらし。
普段、目にしない野菜の色や大きさに、口に運ぶ前にワクワク。
赤、黄色のパプリカや、アイーダでとれるハーブや水菜も添えて。
こちらのバーニャ・カウダのソースはいたってシンプル。
野菜の味を生かすためですね。
私はこういったスタンダードなタイプのバーニャ・カウダしか食べたことがないのですが、
イタリアは地方ごとに料理が姿を変えるので、
土地によってはにんにくを牛乳で煮てピュレにしたり、バターや生クリームを加えるところもあるそうですヨ。
●青唐とイカ、きゅうりのガスパチョ
ここからは、シェフの独創的な料理が炸裂です。
写真は、立派な生ハムに隠れて、イカが見えておりませんが、
イカの輪切りと、(適切な表現かはわかりませんが)塩辛をイメージするような味つけのイカの足があります。
ガスパチョはさら~っとしていて、赤いけれどトマトトマトしていない、それがきゅうり?
エストラゴンがさわやかです。
横たわる でっかい青唐辛子は、味の上でもすごい存在感。
これは、青唐を食べさせる料理ですね。
かなり辛いのもあったり、辛味が全くないのもあったり、
それも楽しめてしまうほど、力強い味のする青唐を
おもしろい形で食べさせていただきました。
●オクラとパッケリ
Paccheri(パッケリ)って、食べてみたかったんですよね。
すっごく大きいペンネって感じ。
中に詰め物して食べることもできます。
「平手打ち」を意味するパッカ(pacca)からついた名前。
別名 マニケ・ディ・フラーテ(maniche di frate)(=修道僧の袖)とも呼ばれる意味も、この形状からわかりますね。
この料理、オクラが3本ごろんと出てくるんです。
このオクラは中心までスープがしみこむように火が通されているのですが、
しっかりとしたかたさを保っていて、それがすごいな~と思いました。
普通、オクラを煮ると、ずるっ、どろ~っとなるところが、かみごたえは残っているんです。
●白金豚バラ肉と夏野菜の煮込み
白金(はっきん)豚は、やわらかく煮込んでから、表面をカリッとソテー。
カリッと感&とろっと感が同時に楽しめて、豚好きの私はにんまり。
素直においしい料理です。
●セロリのスープとジェラード
シェフがサービスで出してくださったこの料理が、とってもおいしくて!
セロリの冷たいスープは、軽い感じのクリームスープ。
そのセロリの主張具合が、出すぎず絶妙で、
今日一番おいしかった一品。
セロリって、好き嫌いがあるのは、特徴的な口に残る味があるからだと思うんだけど、このスープでは、セロリのよい風味だけをふわ~っと抽出したイメージ。
さわやかな風味のセロリのジェラードと合わせて食べると、またこれがおいしい。
●なすのコンフィチュールとバニラのジェラード
黒いから、一瞬いちぢくに見えたのですが、これが「ナス」!
ナスをコンフィチュールにして、カラメル風味がつけてあります。
ナスは部位によって、かたさが違うので、ちょっとずつ味のしみこみ方が違っていて、ソースのしみこみの浅いところはナスを感じさせて、そうでないところはいわれないと何かわからないっていうくらいデザートに仕上がっています。
おもしろ~い!
バニラのアイスにとってもよく合います。
●レモングラスのハーブティー
食べ終わったら、シェフに厨房を案内していただくことに。
うれし~。ひとり、うかれる私です。
シェフひとりで料理をしきっているのに、すごく広々とした厨房ですねと尋ねたら、
本当は3人くらいで作業するつもりで作った厨房なんですよ、とのこと。
その後は、今日、もうひとつ楽しみにしていた、裏の畑の見学です。
そして、アイーダは、最近、増築して
宿泊施設を作られました。
メゾン・ドットという、個人の住宅を開放して、ホテルの気楽さと田舎家のリラックスを同時に味わえるというスタイルの宿で、
1室のみをお客様のご宿泊用にされていて、と~っても贅沢。
壁のタイルから家具までこだわって選ばれたそうで、テレビも電話もなく、ゆったりと過ごして食事が楽しめるような心遣いがあるそうですよ。
中は見れなかったので、泊まってからのお楽しみですね。
そういう時間のすごし方って、ゆ~ったりして、素敵ですよね~♪
帰りがけに、隣にある、Le Pilier(ル・ピリエ) という、アリメンターリ=食材ショップに立ち寄りました。
ここには、シェフのお母様の作る陶器も売られていたり、
コンフィチュールや、今日いただいたバーニャカウダソース、こちらで使われている調味料などもありました。
実は、こちらのマダムとは昨年ご結婚されているのですが、マダムは谷町6丁目にあった「Le Pilier(ル・ピリエ)」というビストロでシェフをされていた方なんですよ。
この食材ショップはそこから受けた名前ですね。
もともと、トルトゥーガという私がよく通った北浜のビストロで働かれていて、その後独立されて女性三人でル・ピリエを始められて、何度か足を運んでいたんです。
流行っているお店だったのに、惜しまれながら閉められました。
ご結婚されてから、2人で料理されるのかな、なんて素人の私は思っていたのですが、
やはり、シェフ同士、料理哲学というものがあるからでしょうか、
奥様はマダムとしてお店をしきっていらっしゃいました。
でも、おふたりで、料理について語ったりするんだろうな、なんて光景を思い浮かべて、すてきだな、うらやましいな~って思いました。
* *
「Villa AiDA(アイーダ)」
和歌山県岩出市川尻71-5
0736-63-2227
月曜休み
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コメント
このお店、以前雑誌に載ってました!!!
今でもその雑誌、持ってます(笑)。
おぉ~、このセロリのスープ!雑誌にも載ってて、すごく気になってたんですよ♪
先生の日記で私もちょっと興奮気味です☆
こんな素敵な空間にお泊りできたらシアワセですね♡
投稿: AI | 2007年8月17日 (金) 10時53分
私も雑誌で…(笑)
以前Hanakoの旅特集に載っていて、「え〜っちかく(和歌山)にこんな店あったんか〜!!」と衝撃を受け、近々絶対に行ってみたいと思っていたんです!
めちゃくちゃ美味しそう♪
そしてお野菜の使い方、とっても勉強になりますね〜未知の味の発見がいっぱいありそう。
普通に食事行っても畑とか見学できるんですか!?今回は特別ですか…?
マダムのお店も絶対行ってみたい!
あ〜妄想が…。
投稿: ちっち | 2007年8月17日 (金) 12時46分
AIさんへ
本当はもっと高いコースが食べたかったの。せっかく和歌山まで足を運んだから、堪能したいじゃない?でもお盆休みはこのコースのみでした。もうひとつ上のコースに、このセロリのスープがあって、それを出してくれて、うれしかったです☆もし行かれるなら、ワンランク上のコースがおすすめです。
ちっちさんへ
誰でも畑は見て帰ってもいいんですよ。今回は、シェフとお知り合いの方と一緒に行ったので、案内してもらいました。裏の畑のほかに、隣にも畑があります。見学できる裏の畑は小さめでしたが、そこに、いろんな野菜が植えられていました。マダムがシェフをされていた、ル・ピリエはもうないけど、マダムが修行されていたトルトゥーガはおいしいので、ぜひ一度行ってみて!
投稿: まきすけ | 2007年8月17日 (金) 16時32分